秋田県多読教育研究会資料
秋田県多読教育研究会参考資料
多読にはどんな利点があるのか
いろいろ考えられますが、ざっと以下のようなものではないでしょうか。
1)英語しか書いていない本を読んだという充実感を持たせることができる。⇛モチベーションの向上
2)教科書以外の英文にたくさん触れることで、授業で習った単語や文法に触れる機会が増え、定着しやすくなる
3)慣れてくると、いちいち日本語に訳さなくても読めるようになり、読むスピードが上がる
4)読むスピードが上がると、英語を速く処理する能力も高くなるのでリスニング力も上がる
ただし、3)4)については、正しいレベルのものを大量に読むことができればの話です。
日本語に訳さなくても意味がわかるくらいのレベルのものをたくさん読むことが大切だと思われます。
高校生になると周りの目を気にして、実際の自分の能力よりも上のレベルの本を選ぶ生徒が見られます。
また、「入試問題のレベルのものを読めるようになりたい」という気持ちがあって難しいものに手を出しがちです。
適度なアドバイスと定期的なチェックが大切です。(=読ませっぱなしではだめ)

多読授業/多読活動を始めるまでの準備の手順と留意点
何事も始める前の準備や計画が大切です。以下のことについて考えておく必要があります。
1)対象を決める(何年生か/全員対象なのか/希望者だけか/最大参加人数は)
2)実施形態を決める(授業として実施するのか/あくまでも課外活動なのか)
3)実施場所を決める(図書館/教室/特別教室/家庭)
4)英語多読用図書をそろえる(予算はどうするか)
5)自分で実際に読んでみる(自分で読んでないと説得力がありません)
6)記録をどうつけさせるか。紙かデジタルか。(読ませっぱなしにしないために)
7)目標をどうするか(学校や学年、蔵書数によって目標が変わります)
☆本校での準備について(具体例として)☆
1)2年生全員に
2)週4コマある英コミⅡの授業の一部として、週1コマ実施
3)学校の図書館で
4)元からそろえてある(過去7年で増やしてきたもの+他校から譲ってもらったり借りたりしたもの)
5)いちおう少なくとも200万語は読みました
6)県でGoogleのシステムを使っているので、デジタルで記録
7)最終目標は30万語、第一目標4万語、第二目標7.5万語
Googleのシステムを使って実施するまでの具体的な準備
まず、スプレッドシートを3種類準備します
➀多読図書リストマスター(蔵書のデータベース:教員用)
②多読記録(読んだものを記録するためのもの:生徒用)
③多読集計マネージャー(生徒の取り組みや読まれている本などをチェックするためのもの:教員用)
➀多読図書リストマスターについて
集計用として以下の7項目について入力します。時間はかかりますが、一旦作ってしまえば後々楽です。
ID番号/タイトル/出版社/シリーズ/シリーズ内レベル/YL/語数
※YLや語数は日本多読学会関係者で作成している「多読図書YL・語数リスト」を参考にしたり
それに載っていないものについてはGeminiにISBNを打ち込んで探してもらったりするとなんとかなります。
②多読記録について
シートが2枚あり、そのうちの一つが記録用です。
生徒は自分が読んだ本の裏に貼ってあるシールに書いているID番号を入力して一つボタンを押すだけです。
もう一つのシートには➀の多読図書リストマスターのデータをリアルタイムで反映できるようになっています。
こうすることによって新しい本が増えても➀のマスターを更新するだけでよくなりました。
③多読集計マネージャーについて
全生徒の入力結果について確認できるようになっています。
具体的には、語数・冊数・最終更新日・どんな本がどれくらい読まれているかなどです。
これをもとに語数ランキングを作成しています。
生徒の多読記録スプレッドシートとリンクしているので、「関数を消してしまった」とか「何かがおかしい」
という場合もこちらで遠隔操作で直すことができます。
※これらはほぼAIのGeminiの力を借りて作ったシステムです。
アイデアと時間とやる気さえあれば誰でもできると思います。
多読教材はどんなものがいいのか
⇐本校生徒に一番人気の "Foundations Reading Library"
校種にもよると思いますが、小学校であればOxford Reading Tree(ORT)あたりが定番です。
イギリスの小学校でも使われているものなので、知的レベルも合うのではないでしょうか。
いろいろなサイトで、「大人でもORTから読んだほうがいい」と書かれていますが、人それぞれだと思います。
高校生でも抵抗なく読める生徒もいれば、簡単すぎて読む気がしないという生徒もいます。
OxfordのDolphin Readersも読みやすくてオススメです。
Oxford Owlというサイトではかなりの数の本を試し読みできるので、購入する前に試し読みするのが良いと思います。
1冊1,000円ほどする本なので、買ってから後悔しないように試し読みをオススメします。
中学校や高校は、やはりGraded Readersの易しめのものから増やしていくのがいいと思います。
Oxford Bookworms
Oxford Dominoes
Pearson Readers
Foundation Reading Library
Page Turners
などがオススメです。
Graded Readersはとりあえず定番のものをできればセットで購入できればいろいろなタイプの本を選べるのでいいと思います。
割引になる場合もあるので図書館にも頼みやすいです。
背伸びをしたり、見栄をはったりしがちな生徒は自分の能力よりもレベルが上のものを選びがちですが、自分のレベルよりもかなり下のものを読んだほうが多読の効果は出やすいという説もあります。
中には「物語文はちょっと苦手」とか「ノンフィクションものがいい」という生徒もいると思います。
そういう人たちのためにはOxford Read and DiscoverやNational Geographic ScienceやScholasticのScience Vocabulary Readersのシリーズなどがいいと思います。
多読図書の管理と運営はどうしたらいいのか
基本的に本の購入は学校の図書館にお願いすることになると思うので、管理も図書館にお願いすることになると思います。
ただし、買ってもらって管理もお願いとなると感じが悪いので、極力できることは手伝いましょう。
図書館としても利用する生徒・児童数が増えることは良いことだと思われるので、利用促進のためにできることは何でも手伝いましょう。
個人で買ったもの(読んでしまったもの)を学校に寄付することもできます。
ちなみに、私は自分で定期購読している多聴多読マガジンを読んだあとで図書館に置いてもらっています。
メルカリで買うのもオススメです。1冊1,000円ほどのものが100円〜400円程度で手に入ります。
大抵の場合複数冊で売りに出ているので、どんどん本を増やすことができます。

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